映画を作っています。監督・三島有紀子の公式ブログです。ここから、しなやかな、楽しい、いろんな広がりが見えてくるといいな、と、思っております。


by yukikomishimafilm
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原田知世さんと大泉洋さんのこと。2012.1.28

いよいよ、全国公開です。

私としては、
10年も前に北海道で大人の寓話(ファンタジー)を撮りたいと思って
6年前に「ひとつだけ」を映画のエンディングにしたいと思って
やがて
この企画が始まって足かけ3年をかけて
たくさんの人間たちの手で作り上げた
映画「しあわせのパン」の
全国での誕生の瞬間を
ご一緒に
ご覧頂けると幸せです。


原田知世さん。

この方は〝映画女優〟です。
子供の時から映画に住んでいる映画の国の人ですから
現場では誰よりも現場のことを理解されていましたし、
何より
〝キャメラに愛される〟というのはこういうことか、と。
最初に撮ったカットで
つぶさに感じた女優さんでした。


現場ではいつも
役の〝水縞りえ〟さんに寄り添ってくださり
りえさんならどうするか、
りえさんは何を見て来たのか、
そんなことをいつも想ってくださる人でした。

ある日、月が見たことのないくらいに美しく銀色に輝き
湖面に月光がキラキラと反射して、まるで私たちに道を知らしてくれたような
月の道ができた夜がありました。

知世さんは
とんとんと私のそばにやって来られ、
「監督、りえさんがここに来て最初に見た月はこんな月だと思いませんか?」とおっしゃって
私も「そうですね」と答えて、二人でしばらく月を見上げていました。

そのときに、ああいつもりえさんに寄り添って生きてくださっているのだなーと
気の張りつめた現場で、幸せになりました。


大泉洋さん。

この方は本当に繊細で細やかな方です。
観察力もそうですし、まわりの反応への敏感さは
役者さんになくてはならないと思いますが
細かい感情まで受け取られる方です。

もちろん、話が本当におもしろくて、
洋さんがいらっしゃるところにはいつも笑い声がするのは本当です。
あんなに人を楽しませられるなんて
すごいと思います。

でも、わたしは、
むしろその繊細な部分が好きで
たまに静かにゆっくりと真面目にいろんなお芝居の話をされる洋さんが好きでした。

ここの台詞はどういうか、言うのか言わないのか
洋さんといろいろ話し合いながら作っていった時、
ああ、この方も本当に演ずるという芝居が好きでたまらない人なんだなーとしみじみ思いました。

わたしがお二人や役者さんに求めたのは
出来る限り抑えた演技をしてもらうことでした。

とにかく。
この二人が初めて向き合うシーンがあるのですが
とても大切なシーンなのに
それを撮影する日も特別にゆるいスケジュールにはならなくて
お二人とも話さず、寡黙なままご自分の世界に入っていました。
私は、こういう緊張感がなくてはならないと思う方です。
そしてお芝居が始まった。
この時の二人の表情が撮れた時、わたしは、本当の意味で幸せを感じました。
ここの芝居を撮るためにこの映画を撮ったと思うのです。

是非、ご覧ください。

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by yukikomishimafilm | 2012-01-28 07:00 | 三島の幸せ(もの・こと・ひと)