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映画を作っています。監督・三島有紀子のブログです。ここから、しなやかな、楽しい、いろんな広がりが見えてくるといいな、と、思っております。


by yukikomishimafilm
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映画『少女』の見どころのひとつ。

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映画は皆で作る総合芸術です。
スタッフのひとりひとりの技術と心意気、そして愛情が写りこむもの。
山本美月も初めてこの映画を見たとき
「みんなの愛情がつまった映画」と言ってましたが、
ほんとにたくさんのスタッフの愛情が注がれています。

◎まずは、脚本
とても面白いけれど映像化がとても難しい原作「少女」を目の前にして
一緒に挑んでくれたのが松井香奈さんです。
私がプロットを書いて、
いろいろ話しては、
書いて、
それこそ、膝を突き合わせて
神楽坂の喫茶店で何度も何度も同じサンドイッチを食べながら
作った脚本です。
松井さんは女子高卒業だし、
たくさんのアイデアを出してくれました。

◎撮影の月永雄太と照明の齋藤徹
月永さんとは、
『心の音』という作品で
長野の昼神で泊まり込んで撮った作品から
『ぶどうのなみだ』と一緒に作っています。

月永さんと齋藤さんが作り上げた
ショットはとても美しく、少女たちの醜さ儚さを強調してくれています。

◎美術の黒瀧きみえ
黒瀧さんの美術的センスは
「少女」の世界を作り上げるのにとても重要なのです。
「ぶどうのなみだ」「繕い裁つ人」と一緒に作っています。
映画の世界観を
いつも黒瀧さんと一緒に模索している時間が楽しい時間です。

◎音楽の平本正宏
いつも自分の頭になんとなくの
音楽の方向があり
自分としてはそれをテーマに撮ってるのですが
今回、そのイメージをはるかに越えた
テーマ曲のワルツを書いてくれました。
これは、メイポールダンスの曲であり、ラストにも流れます。
この曲が、この映画を象徴していますし、いろんなことを伝えてくれています。

◎クオリティをあげてくれる
助監督 佐伯竜一 演出部の小菅規照 目黒啓太 大黒友也
ラストシーンの少女が疾走するシーン。
スケジュールの都合で、一度、曇りで泣く泣く撮影したカットです。
でも、映画を象徴するカットと考えていたので、
もっと映画の強度を高めてくれるカットにしないとダメなんじゃないだろうか…
何日も悩んで相談しました、
「もう一度撮った方がいいと思うんだけど」
すると、演出部チーフが、少し考えて、「そうですねね」と。
スタッフやキャストのスケジュールを調整してくれて
夕陽が輝く日にもう一度チャレンジして撮り直したのです。
カットかけた時、「いいカット撮れたね」と隣で笑ってくれたのが演出部でした。


映画は、こんなたくさんの愛情で作られています。
まだまだこれは、ほんの一部ですが
是非、スタッフの技術と愛情を劇場で
楽しんでください。


【スタッフ】
脚本:松井香奈・三島有紀子
音楽:平本正宏
主題歌:GLIM SPANKY

撮影・月永雄太
照明・斉藤徹
美術・黒瀧きみえ
録音・浦田和治
編集・加藤ひとみ
制作担当・坪内一
助監督・佐伯竜一
記録・吉田久美子


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by yukikomishimafilm | 2016-10-02 16:33 | 三島の幸せ(もの・こと・ひと)