映画を作っています。監督・三島有紀子のブログです。ここから、しなやかな、楽しい、いろんな広がりが見えてくるといいな、と、思っております。


by yukikomishimafilm
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

<   2009年 04月 ( 8 )   > この月の画像一覧

4月&5月の文化部活動

撮影でなかなか書けなかったのですが
4月の文化部活動を書きます。

○映画「フロスト×ニクソン」
勝負に出る事の意味
それは 大きい。
負けても勝っても。

 受けて立つ事の意味
 それも同じく大きい。
 負けても勝っても。


○映画「ホルテンさんのはじめての冒険」(監督 ベント・ハーメル)
f0189447_0273333.jpg

前作の「キッチン・ストーリー」が
素晴らしかったので
見に行った。
これもまた、少しずつ 日常がずれていき
やがてそれが大きな非日常へと導き出される。
そんな語り口が好き。

○DVD 映画「ブロードウェイ ブロードウェイ」
ブロードウェイミュージカル「コーラスライン」
のオーディションドキュメンタリー。

オーディションを受けている女性ダンサーの父親のインタビューが心に残った。
彼は40歳過ぎた頃 怪我でダンサーを断念した。

『明日の事はわからない。
だから毎晩が舞台の初日であり、千秋楽でもある。
何もかも不確かだ。

ダンスは自分のすべてで宇宙だ。
だから最もつらいのは、踊れないこと。
私はダンサーだ。踊れなくなった私は何者だ。

・・・・私はダンスを愛している。愛したことに悔いはない』

○映画「グラン・トリノ」(監督 クリント・イーストウッド)
f0189447_0343789.jpg
イーストウッドがちゃんと答えを出して提示している。
この人は生きる事と死ぬ事とに ずっと向き合って 映画を作っている。
本物の「作家」だと思う。 

○本「袋小路の男」(著・絲山秋子)

なんとも言えない距離感の男女が
心に浸食して、 たまらない。

「手の中に転がりこんできた十円玉の温度で、
あなたの手があたたかいことを知った」

「何日も何十時間も、私は物語をした。
恋とセックスとお金以外の話。
はっきりしない二人の関係以外の話。
もう間に合わない三月〆切の小説以外の話。
そして物語は、私を蝕んでいった。」

という描写がせつないほど
心につきささる。
[PR]
by yukikomishimafilm | 2009-04-24 01:54 | 三島の関心空間

羽根が生えました!

羽根が生えました。笑。

今日はいろんな友人や仕事のメンバーに「おめでとう」と祝ってもらって
ありがたいなーと思いました。
羽が生えた気分です。

仕事の電話も今日は「誕生日おめでとうございます」から始まる。
みんな、やさしいなー。

友人たちも
素敵なカードやお手紙や
素敵なメッセージメール、
シャンパンや
お花・・・・を送ってくれました。


今日は1日仕事してたけど
本当にしあわせだなーと思いました。
そこそこの年齢まで(笑)生きて来れたのも
周りのおかげだと心から思います。

明日から撮影です。

今日いただいたもの全部身に付けて
現場に挑みたいと思います。

本当にありがと。

<追加>
この日のあと
おいしいイチゴロールケーキが届きました。
今年はケーキ食べてなかったので
早速頂きました。
めっちゃおいしかったです。

それから
数年前、まだ会社員だった頃
台湾旅行に一緒に行った
女友達からオレンジ色の布バッグが届きました。
(刺繍入り)
彼女はセンスがとてもいい人です。

ありがと。

<さらに追加>
6月になって、誕生日プレゼントいただきました。
女友達Mさんから
バナナクリームとか
お菓子の詰め合わせ。
ポーチ&メモ帳
どれも私のお気に入りになりました。

早くカフェ開いて〜。
食べにいくし。
[PR]
by yukikomishimafilm | 2009-04-22 23:58 | *ありがたいできごと
○三島有紀子、テレビドラマを監督したデビュー作のドラマが再放送されます。

「京都地検の女」(東映京都撮影所製作)
出演 名取裕子 
        唐十郎
        烏丸せつ子
        有薗芳記
          ほか
4/22 14:00〜オンエアです。(ちなみにこの日は私の誕生日!!)


 唐 十郎さんと烏丸せつ子さんに
出演をお願いに行った時の事を今でも忘れません。

唐組のテントのお芝居を見に行き、
公演後劇団員の皆さんと車座になって 酒を飲み、
大好きな「唐版 風の又三郎」の一節を語りました。
(私は大好きな一節がありおよそ壱ページ分覚えているのです)
何時間か飲んだそのとき
唐さんが おもむろにいいちこの入ったガラスのコップを高く掲げ
「わかった。出るよ」。
その瞬間のことは明確に覚えています。

烏丸さんとは
台本のいろんな話をして
ふと渡した
自分が作・演出で公演した舞台「遮断記」のチラシをとても気に入ってくれて。
オッケーしてもらったのでした。

現場では
京都撮影所で初めて監督と言う私を
お二人とも盛り上げてくださって
本当にやりたいことができた作品でした。

もちろん、本当に素敵な他の役者さんやスタッフあっての
作品です。これを撮らせてくれたプロデューサーにも心から感謝しています。

そんな感じで生まれたものなので
ぜひ、見てください。
[PR]
by yukikomishimafilm | 2009-04-22 00:30 | *お知らせ

もう泣けるんです。

今日はここまでのクオリティを目指せるのに

不可能な事がありました。

酔っぱらいました。

この時間にエレペーター降りた所で

泣き崩れたのは

初めててです。

くやしくて。

本当にくやしくて。

しばらく立てませんでした。

今はもうニワトリが鳴いています。

あと三時間で出発です。
[PR]
by yukikomishimafilm | 2009-04-21 04:58

最高の舞台!(海外版)

今までの生きて来た中で
個人的に見た後の感激がもっとも高かった芝居は何か
考えてみた。

それは
2000年
ロンドンまで見に行った
舞台版「アマデウス」だ。

サリエリを演じたのは「名探偵ポワロ」で有名な
デヴィッド・スーシェ。

私は、朝からレスタースクエアーの半額チケットボックス
に並んで前から三列目の
席をゲット。

あまりに興奮して
隣に座った紳士に 「なんて素敵な劇場なの」なんて
話しかけたら
奥から奥さんが顔を出して
「そういうことは劇場の支配人に言って」と嫌みをグサリ。笑。
そんな始末。笑。

あの時の私は
そこにいるだけですでに
幸せで 全ての人に
話しかけたかったのだ。

そして、幕があがり
紗幕の奥の影が行き交い
口々に「サリエリ」とささやく声が
やがて大きくなっていく。

現れたデヴィッド・スーシェ。

なんだろう。
私はクギヅケだ。

目が一時も離せない役者。

私の心は一瞬にして
サリエリと一つになったのだ。

こんな感覚今までにない!!!

そして見終わって
立ち上がれなかった。

しばらくして劇場の人が呼びに来た。
閉館だから出てくれと。
私は、その人の腕をつかんで
こんなようなことを言った覚えがある。

お願いだからスーシェさんに伝えてほしい。
あなたの演技に感動して
席を立てなかった女の子がいたと。
(本当はすでに「女の子」ではない。笑)
そしてその子は わざわざ日本から
この舞台を見に来たのだと。

それが伝わったかどうかは知らない。
でも
まちがいなくあれは最高の舞台の一つだと言える。
[PR]
by yukikomishimafilm | 2009-04-13 00:57 | *ありがたいできごと

希望くんのデビュー戦。

今日は
撮影およそ10日前だと言うのに 夕方には 後楽園ホールにいた。

なぜなら
半年前まで通っていたボクシングジム(石橋ジム)の選手希望くんのデビュー戦だからだ。

同じくらいの時期から通い始めて
18歳の希望くんはもちろん どんどんうまくたくましくなっていった。
同じ時期、もう一人通い始めた28歳の人がいて
よく帰り道、駅まで三人で歩いて帰った。私は、一人、筋肉痛でよれよれだったけれど。
ある日、
28歳の人が希望くんに「18歳ならまだまだこれから。なんでもできる」と言ったので
私は、「二人ともはっきり言って まだまだこれから何でもできる年やと思うで」と笑った。

今日は、何が何でも応援に行きたかったのだ。

登場したとき、本当に今までで一番美しく見えた。

希望くんは、今日は負けてしまった。

でも彼はリングに立ったんだ。

それだけでもすごいと思う。
[PR]
by yukikomishimafilm | 2009-04-10 01:02 | *ありがたいできごと

魚屋のおにいさん

昔、会社に勤めていた頃、よく行っていた定食屋さんがあった。
そこは魚屋さんがやっている定食屋さんで、家族で切り盛りしていた。

ある夜、仕事の合間に その店で「おいしいおいしい」と焼き魚定食を食べていると

店のお兄さんが話しかけて来た。

「こんな仕事遅いと、結婚もできませんね」

私は、笑いながら「そうですよね〜」とがつがつ食べていた。

すると、「僕も結婚できないんですよ」と言うので
「なんでですか?」と無神経な質問を投げかけてしまったら

「うち、やっぱり みんなで店やってるでしょ。
だから店一緒にやってくれる人じゃないとだめなんですよ」
「え、そういうもんですか?やっぱりだめですか」
「だめですよ。自分はこの店大きくして行きたいし。
結構長くつきあった彼女いたんですけどね。結婚ってなると だめでした。
彼女は、ヘルパーさんになりたいって・・・・だから話し合って、・・・それで結婚あきらめました。好きだからって結婚できないんですよね」
と つぶやいた。
お兄さんは、少しあきらめたように笑って店の奥に入って行った。

ああ、「すごく好き」でも人生が交差しない事ってあるよなあ〜。

そんなことを思いながらもお味噌汁をおかわりした私に
店のお母さんが近づいて来て、
「魚屋もみんなでやったら楽しいよ」と微笑んで来た。
気がつくと店のお父さんもそのまたおばあちゃんまで
出て来て私の周りに座り 
「大家族は楽しいよ」
とあたたかい空気。いろんな話で盛り上がり1時間ほど話してしまった。
本当に明るくて元気でみんないい人だった。

「ごちそうさまでした」
そのお店を出て、はたと気がついた。

え? これって?
なんか、みんなで嫁さがしてる?
ちょっと候補に入ってた?笑。

そんなことを思いながら日々の忙しい日常に帰って行った。

そして、それからたぶん、7,8年たった今日。
その魚屋さんの前を通った。
お店の人が携帯をかけている。
すぐにわかった。
少し、あごのラインがまあるくなってたけど
あのお兄さんだった。

私は、そっと横を通り過ぎた。
そのとき、聞こえて来たのは

「ちゃんとメシ、くっとけよ。・・・・・ええからな」。

間違いなく、嫁さんへの電話である事がわかる。
そしてとても大切にしているのがわかる話し方だったのだ。

私は、すれ違って一人、微笑んだ。

なんだかとても うれしくて。

嫁さん、来たんだ。

よかったな。よかったな、よかったな。

あんなに落ち込んでたお兄さんに、春が来た。

桜も満開。
[PR]
by yukikomishimafilm | 2009-04-04 02:38 | *ありがたいできごと

衝動

さきほどひとつの

衝動が生まれました。

なんだろう。

この衝動。

こういうときは、やるときだ。

昔 ヴェンダースが

「とにかく伝えたいんだ。僕の物語を。
映画が撮れなかったら
歌で。
歌えなかったら
紙切れで」(三島脚色)
と語っていた話を
されたことがあります。

「三島にそういう気持ちはあるか」
と聞かれて、あると答えた思い出があります。

その人は「自分はない」と答えて表現する仕事から離れて行きました。

正しい基準だったのではと思っています。

だから
もう一度
どんな形であれ
伝えて行こうと言う衝動。

これを
これだけを大事にして行きたいと思います。
[PR]
by yukikomishimafilm | 2009-04-03 11:52 | 三島の仕事