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映画を作っています。監督・三島有紀子のブログです。ここから、しなやかな、楽しい、いろんな広がりが見えてくるといいな、と、思っております。


by yukikomishimafilm
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俗物だけど好きな作家モームの言葉

“感情は、過ぎ去った時、詩が生まれる”

イギリスの作家モームの言葉です。

嬉しいこともつらいことも悲しいことも楽しいことも 怒りでさえ
そのまっただ中にいる時はただ酔うことだけしかできない。

過ぎ去ってそれを思い起こす時、それは詩という つまり何かの表現に変わると述べているのだと思います。

ああ、そうだなあと素直に感じた言葉です。

感情をとても反応よく感じて返せる人を私は、
ずっとうらやましく思っていました。
もちろん今でも感情の受け渡しをうまくできる人はいいなあと思います。
でも、どの感情も詩に変わると思えば なんだか感情に翼がついたように
見えるのです。


もうひとつ

“もしかしたら、絶望と言うのは死ではなく、何も愛せなくなった時にやってくるのではないか”
これもまたモームの文章です。

考えたくない程恐ろしいことではありませんか?
何も愛せなくなる、なんて。

誰も、ではなく、何も・・・です。
つまり自分とか他人とかという人だけではなく、
この本とかこの映画とかこのごはんとかこの音楽とか
この匂いとか、この肌触り・・・とか全てということです。

嗚呼おそろしい。

だからこそ、です。

何か、を愛せている自分は、希望の塊だと思う訳です。
幸せです。笑。


え?なに?これは幸せを確認するブログだったのか?笑。

ではおやすみなさい。
きっと今夜もいい夢を・・・。

※写真は サマセット・モームの「劇場」が原作の映画
「華麗なる恋の舞台で」
ラスト、一人でビールを飲む主人公の姿は秀逸です.

俗物だけど好きな作家モームの言葉_f0189447_2431612.jpg

by yukikomishimafilm | 2009-10-31 02:38 | 三島の関心空間