大人になると言う事
2009年 11月 09日
大人になったんだと感じる瞬間というのは、年令によって違うものだ。
コーヒーを美味しいと感じた時、お酒がうまいと感じた時
働いて得たお金で、好きなものを好きなだけ買えた時、嘘をついた時・・・と、いろいろある。
だが、誰かが大人になったと感じる瞬間は、もっと美しい光景である。
私とコウヘイくんが出会ったのは、幼稚園に入る前だから、
3歳か4歳のころである。
一つ年上のコウヘイくんは、近所にすむ洋食レストランの息子だった。
近くに公園があったこともあって、
二人でそれこそわんぱくに一緒に遊んでいた。
夏は祭りの神輿を一緒にかつぎ、冬は一緒にもちをついた。
ある時、コウヘイくんが立ちションをした時、
私は、コウヘイ君にできて、わたしにできないはずはないと
隣で立ちションを始めた。
みごとにパンツはぬれ、情けないが、コウヘイくんのお店で、
コウヘイくんのお母さんがコウヘイくんの男モノのパンツをはかせてくれた。
コウヘイ君の家のハンバーグや海老フライは、今まで食べたことのない
それはとにかくおいしいものだった。
それから幼稚園、小学校中学校までずっと一緒だったから、いわゆる幼馴染みである。
そんな彼が大人に見えた瞬間が、2度ある。
小学6年生の時、私が何故かとぼとぼと歩いていたら
突然後ろから背中をたたかれたのだ。
自転車が私を追い抜いて、停まり、ふりむいたのは、
学ラン姿のコウヘイくんだった。
私は、はっとして声が、でなかった。
中学校の制服姿のコウヘイ君が、
あまりに美しく、大人に見えたのだ。
「乗り。おくったるわ」。
荷台に乗せられた私は、
私とはもう絶対的に違う世界にいる人に思えた
コウヘイくんの背中を見ながら
はずかしくてしょうがない想いにかられた。
初恋ではない。
でも、とても、一緒に立ちションして笑っていた
コウヘイくんと
違う人がすぐ前で自転車をこいでいた。
それから、親しく話すこともなく、時は過ぎていった。
そして、一昨年の夏である。
京都に仕事で一ヶ月程過ごした後、実家の大阪に帰った。
何故か、わたしは、あのレストランの海老フライが食べたくなった。
少しどきどきしながら扉を開けた。
レジの前には、私のパンツを替えてくれたおばちゃんがいるが、気がつかない。
奥のカウンターに座る。
すると、、、、、、、見えたのだ。
ランチタイムの忙しい時間、
黙々といろんな料理を盛っているコウヘイ君の横顔が。
あ、いた。
そして、その料理人のストイックな姿はとても美しく、また、
私より大人になってしまった・・・と思ったのだ。
料理を運んでくれた明るい感じの女の人。
きっと、この人が奥さんだ。
母から
コウヘイくんが結婚して
その嫁さんがよく手伝ってくれるんだとおばさんが喜んでいることを、
以前、聞かされていたからだ。
「かわらんなぁ。そのままや」
コック長であるコウヘイくんのお父さんが話しかけてきた。
「わからんかったんやけどな。コウヘイが一番に気付いたわ」
驚いた。一度も目が合わず、彼はただ黙々と仕事をしていたのに。
帰る時、コウヘイくんの6歳の息子に手をふられた。
「またきてや」。
コウヘイくんは、黙って微笑んだ。
彼は、本当にいつも私より少し早く大人になっていく。
きらきらと大人になっていくのだ。
海老フライは変わらずおいしかった。
海老フライと私だけが、何も変わらず、
おいてけぼりのような気がした。
でも、海老フライもまた、なぜだかきらきらしていた。
※店の名前は 「インペリアル」大阪堂島にある
おいしい洋食屋さんです。
コーヒーを美味しいと感じた時、お酒がうまいと感じた時
働いて得たお金で、好きなものを好きなだけ買えた時、嘘をついた時・・・と、いろいろある。
だが、誰かが大人になったと感じる瞬間は、もっと美しい光景である。
私とコウヘイくんが出会ったのは、幼稚園に入る前だから、
3歳か4歳のころである。
一つ年上のコウヘイくんは、近所にすむ洋食レストランの息子だった。
近くに公園があったこともあって、
二人でそれこそわんぱくに一緒に遊んでいた。
夏は祭りの神輿を一緒にかつぎ、冬は一緒にもちをついた。
ある時、コウヘイくんが立ちションをした時、
私は、コウヘイ君にできて、わたしにできないはずはないと
隣で立ちションを始めた。
みごとにパンツはぬれ、情けないが、コウヘイくんのお店で、
コウヘイくんのお母さんがコウヘイくんの男モノのパンツをはかせてくれた。
コウヘイ君の家のハンバーグや海老フライは、今まで食べたことのない
それはとにかくおいしいものだった。
それから幼稚園、小学校中学校までずっと一緒だったから、いわゆる幼馴染みである。
そんな彼が大人に見えた瞬間が、2度ある。
小学6年生の時、私が何故かとぼとぼと歩いていたら
突然後ろから背中をたたかれたのだ。
自転車が私を追い抜いて、停まり、ふりむいたのは、
学ラン姿のコウヘイくんだった。
私は、はっとして声が、でなかった。
中学校の制服姿のコウヘイ君が、
あまりに美しく、大人に見えたのだ。
「乗り。おくったるわ」。
荷台に乗せられた私は、
私とはもう絶対的に違う世界にいる人に思えた
コウヘイくんの背中を見ながら
はずかしくてしょうがない想いにかられた。
初恋ではない。
でも、とても、一緒に立ちションして笑っていた
コウヘイくんと
違う人がすぐ前で自転車をこいでいた。
それから、親しく話すこともなく、時は過ぎていった。
そして、一昨年の夏である。
京都に仕事で一ヶ月程過ごした後、実家の大阪に帰った。
何故か、わたしは、あのレストランの海老フライが食べたくなった。
少しどきどきしながら扉を開けた。
レジの前には、私のパンツを替えてくれたおばちゃんがいるが、気がつかない。
奥のカウンターに座る。
すると、、、、、、、見えたのだ。
ランチタイムの忙しい時間、
黙々といろんな料理を盛っているコウヘイ君の横顔が。
あ、いた。
そして、その料理人のストイックな姿はとても美しく、また、
私より大人になってしまった・・・と思ったのだ。
料理を運んでくれた明るい感じの女の人。
きっと、この人が奥さんだ。
母から
コウヘイくんが結婚して
その嫁さんがよく手伝ってくれるんだとおばさんが喜んでいることを、
以前、聞かされていたからだ。
「かわらんなぁ。そのままや」
コック長であるコウヘイくんのお父さんが話しかけてきた。
「わからんかったんやけどな。コウヘイが一番に気付いたわ」
驚いた。一度も目が合わず、彼はただ黙々と仕事をしていたのに。
帰る時、コウヘイくんの6歳の息子に手をふられた。
「またきてや」。
コウヘイくんは、黙って微笑んだ。
彼は、本当にいつも私より少し早く大人になっていく。
きらきらと大人になっていくのだ。
海老フライは変わらずおいしかった。
海老フライと私だけが、何も変わらず、
おいてけぼりのような気がした。
でも、海老フライもまた、なぜだかきらきらしていた。
※店の名前は 「インペリアル」大阪堂島にある
おいしい洋食屋さんです。
by yukikomishimafilm
| 2009-11-09 01:51
| 三島の関心空間

