映画を作っています。監督・三島有紀子のブログです。ここから、しなやかな、楽しい、いろんな広がりが見えてくるといいな、と、思っております。


by yukikomishimafilm
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カテゴリ:*ありがたいできごと( 110 )

魚屋のおにいさん

昔、会社に勤めていた頃、よく行っていた定食屋さんがあった。
そこは魚屋さんがやっている定食屋さんで、家族で切り盛りしていた。

ある夜、仕事の合間に その店で「おいしいおいしい」と焼き魚定食を食べていると

店のお兄さんが話しかけて来た。

「こんな仕事遅いと、結婚もできませんね」

私は、笑いながら「そうですよね〜」とがつがつ食べていた。

すると、「僕も結婚できないんですよ」と言うので
「なんでですか?」と無神経な質問を投げかけてしまったら

「うち、やっぱり みんなで店やってるでしょ。
だから店一緒にやってくれる人じゃないとだめなんですよ」
「え、そういうもんですか?やっぱりだめですか」
「だめですよ。自分はこの店大きくして行きたいし。
結構長くつきあった彼女いたんですけどね。結婚ってなると だめでした。
彼女は、ヘルパーさんになりたいって・・・・だから話し合って、・・・それで結婚あきらめました。好きだからって結婚できないんですよね」
と つぶやいた。
お兄さんは、少しあきらめたように笑って店の奥に入って行った。

ああ、「すごく好き」でも人生が交差しない事ってあるよなあ〜。

そんなことを思いながらもお味噌汁をおかわりした私に
店のお母さんが近づいて来て、
「魚屋もみんなでやったら楽しいよ」と微笑んで来た。
気がつくと店のお父さんもそのまたおばあちゃんまで
出て来て私の周りに座り 
「大家族は楽しいよ」
とあたたかい空気。いろんな話で盛り上がり1時間ほど話してしまった。
本当に明るくて元気でみんないい人だった。

「ごちそうさまでした」
そのお店を出て、はたと気がついた。

え? これって?
なんか、みんなで嫁さがしてる?
ちょっと候補に入ってた?笑。

そんなことを思いながら日々の忙しい日常に帰って行った。

そして、それからたぶん、7,8年たった今日。
その魚屋さんの前を通った。
お店の人が携帯をかけている。
すぐにわかった。
少し、あごのラインがまあるくなってたけど
あのお兄さんだった。

私は、そっと横を通り過ぎた。
そのとき、聞こえて来たのは

「ちゃんとメシ、くっとけよ。・・・・・ええからな」。

間違いなく、嫁さんへの電話である事がわかる。
そしてとても大切にしているのがわかる話し方だったのだ。

私は、すれ違って一人、微笑んだ。

なんだかとても うれしくて。

嫁さん、来たんだ。

よかったな。よかったな、よかったな。

あんなに落ち込んでたお兄さんに、春が来た。

桜も満開。
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by yukikomishimafilm | 2009-04-04 02:38 | *ありがたいできごと

最近幸せだった事

○以前からこの人の作るドラマは全部好きだ!と思っている方から
作品の感想メールが来た!第一声

面白かったーーー!!

とのこと。何年もその人のドラマを見て来てこういう日が来るとは・・・
嬉しいです。

○映画「親切なクムジャさん」
ちょっと前に見ました。
これ、DVDでやっと見たんですが
いいです!

人間の本質が見える瞬間をうまく設定してるし
色の使い方も美しいです。

自分の子供が誘拐されて殺されたシーンをビデオで見せられる
親たち。
その親たちが復讐として犯人を順番に刺すシーンで
全員が雨カッパというかあのコンビニで売っているような安いカッパを着て
並んで座っているカットが素晴らしいです。
これが人間です。

○ドキュメンタリーNHK「世界遺産 アウシュビッツ・広島原爆ドーム」
眠れなくて起きてたら番組が始まりました。目が離せなって最後まで見てしまう。
テレビにはこういう出会いがあるのです。

アウシュビッツから逃げて来た若者(現86歳)を
当時14歳の少女がかくまい助けた話の後
彼はこう語る。
「人間が信じられるか。その問いは 彼女の存在が答えてくれます」と。
あれだけの絶望を味わった人だから言える 台詞。心にぐさりと刺さりました。
彼らは 人間とは何かを問い続け
表情は 崇高な 哲学家か宗教家のようでした。

○園子温 「愛のむきだし」

これはまた、ある人から「必見!!」と言われて見に行った映画。
そして知り合いの役者さんが出ている事もあり見に行った。

4時間やで。いまどきシネコンやらなんやら意識する時代に
4時間(笑)

面白かったー!!!

それこそ 怒濤の4時間。

盗撮も勃起も変態も全て愛に浄化した物語。

主役の魅力も大きくて
全然拒絶反応がおこらないんですよ。

愛をむきだしにしていこうと思いましたね。
見終わったら。

全く思うつぼです。笑。

間違いなく自分の中の基準を問われる映画です。

見てよかった。教えてくださった方に感謝です。ありがとうございます。
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by yukikomishimafilm | 2009-03-28 13:02 | *ありがたいできごと

calling you

今日は珍しく 家で缶ビールをあけ、calling you を聞いている。

たまには、自分が何を愛しているのか再確認する時間が必要だ。

映画はもちろん。

人と人の手によって作られた、美しいものすべてを愛している。

でももっと具体的な言葉で示してくれたのが

美術解剖学学者の布施英利さんだ。

「美術は 100年後の人を救おうとしている」。

もちろん、これは 今の人を救わなくてよいという意味ではない。

100年後の人を救う事を考えれば つまりそこに照準を合わせれば

今の人も救う事もあるのだ。

でも、今救えなくても100年後救えると信じて創作するのが美術だと語る。

だからなのだ、私は美術、(いや芸術と置き換えていいだろう)芸術を愛している。

そして、布施英利さんは
「じゃその美術と言うものの中であなたは何をしているんですか」という問いに
こう答えた。

「僕は、美術の下僕です」と。笑。こんな素敵な言葉があるだろうか。

とどのつまり

私は、愛と 芸術を大切に想っている。

こんなことは、ビールを飲みながらでないと書けない。

下僕として、生きていこうと思うのだ。

100年後の 誰かに向けて、 calling you....

そう、この考え方は
去年書いた「世界がお前を呼ばないなら」という脚本につながっていく訳です。

作らないとね。

あの映画は。

しっかりしなくてはね。

自分が。

そんなことをビール飲みながらぼーっと書いています。

雪はやんで しんとした夜です。

PS 
今日はともさかりえさんとお仕事させてもらいました。
あまりの芝居のうまさに いろんな物語のイメージが膨らみました。
こんな役やってほしい・・・とか。
ほんと、素敵な役者さんでした。

そして、今までご一緒した役者さんやスタッフや友達から
作品の感想をたくさん頂いて本当にありがたいです。ありがとうございます。
少しの時間が惜しいという時代に、見ていただけた事だけでも感謝です。

おやすみなさい。酔っぱらってます。明日冷静に読んで、
このブログは消えているかもしれません。笑。

bonne nuit!
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by yukikomishimafilm | 2009-03-04 03:58 | *ありがたいできごと
・映画「マンマ・ミーア」
ロンドンで舞台のプレビュー公演を見た時 ABBAが来てたのに感動しました。
もちろん、 立ち上がって踊りました。
そして、映画。まあ、ギリシャの風景をイメージ映像ぽく切り取っていたのは
やや気になったが 気分はあげてくれる。 ABBA偉大。
そしてメリル・ストリープ、ありがとう。

・ラッパ屋『ブラジル』
終演後、ラッパ屋メンバーの俵木藤太さんや木村靖司さんと立ち話。久しぶりのラッパ屋を堪能。
ラッパ屋は見ないとね。

・『しとやかな獣』
今、一緒にお仕事させてもらっている三浦有為子さんと鑑賞。
映画(川島雄三監督)はもちろん素晴らしかったが ケラさんの演出を見ると
まるで元々舞台作品だったように感じた。
見た後、出演してらした玉置孝匡さんから自筆の絵はがきを頂く。
多才です。

寝る時間削っても見たいもの、それは
本当に見たいものです。

あと、今日はDVDで イ・チャンドン監督の「グリーン・フィッシュ」見た。

もっと文化部活動に勤しみたい三島です。
早く映画「ダウト」を見たい。


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by yukikomishimafilm | 2009-02-11 00:39 | *ありがたいできごと

仕事でもプライベートでも

心が揺さぶられないと すぐに元気がなくなる私ですが(笑)

今日のパワー・ランチは、ええ感じで揺さぶられてしまいました(笑)

昨年末にGOがでたオリジナル・ショート・フィルムの打ち合わせ。

都心から少し離れたコロニアルなスペイン料理店。

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イカのフリット(おいしくって ちょっとピンぼけ 笑)

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パエリア(おいしすぎて ちょっとピンぼけ 笑)

ミルフィーユ状態のジャガイモがたまらないスパニッシュ・オムレツも

サイコーだったのですが、

食欲が先にきてしまい、写真を撮る前に食べてしまったのでした(笑)

でも、おいしいもんって、クリエーティブな発想のスパイスですよね。

なんか楽しい一年になりそうな気がしてきました!
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by yukikomishimafilm | 2009-02-09 23:33 | *ありがたいできごと

2008 mishima!

今年は、
年初めから長編アートアニメーション映画の脚本を書かせてもらい
漫画原作の映画の脚本を書かせてもらい
    
自分で監督したいオリジナルの映画脚本を書き、
サンダンス国際映像作家賞に出して優秀作品に選ばれ、
    
フジテレビ「Beポンキッキ」では
「いじいじくん」
というアニメーションがやりたい!!と言えば
プロデューサーにおもしろがっていただき 
企画・演出・脚本をやらせてもらったり、
    
10年前からずっと監督したかった原作の脚本を書き、
原作者と出版社の方のオッケーをもらえて進めています。

そして、
90分のローバジェットの映画
「刺青〜匂ひ月のごとく」(原作・谷崎潤一郎)を監督しました。
(2009公開・・・の予定です)

これ、すべて、周りのご縁で生まれたものです。

「こんな子いるよ」と推薦してくれたり、紹介してくれた方々
本を薦めてくれた人
本屋を待ち合わせにしてくれた人にいたるまで。笑。
サンダンスも、ある人に脚本読んでもらったら
「出してみたら?」と言ってもらったのでした。  
もちろん電源を気持ちよく貸してくれた喫茶店「ウーハ」のマスターも。

縁・・・ですね。

自分が何かをやりたいと思った時
相談したり、話したりできる人がいるということ、
そして一緒に喜んでくれたり一緒に
残念に思ってくれたりしてくれる人がいることも
本当に幸せな事だとあらためて身にしみた1年でした。

こんだけ生きて来たら、
自分が世界でぽつねんとたった一人・・・みたいな事思う時ってありません?笑。
そんな時もありましたもんね。

今は、こんな私と
関わってくれたあらゆるスタッフと役者の皆様に心から感謝しています。


来年も
お互いに「リスペクト」でき「共有」できるみなさまと
作品を作っていけたら幸せです。


来年は

日本テレビ「妄想姉妹」の監督させていただき
(放送は1月17日 スタート!!)
・ある原作の映画脚本をせっせと書き、
・オリジナル脚本のショートフィルムを監督する。
・今年書いた脚本の稿を重ねて撮影準備して監督する。
   

こんな感じでじわっと広げていけたらなあと思っています。
どうぞよろしくお願いします。

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※写真は、
一緒に作品を作った美術装飾の素敵なトリッペンガール井上静香さんに
もらったダンサー人形と青空!!

2009はこんな感じで!!笑。

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by yukikomishimafilm | 2009-01-02 15:44 | *ありがたいできごと

奴(ヤツ)。

明日はMAだ。

そして今日は友人の命日だ。
昨年の今日、 バイク事故で亡くなった。

奴は、10年来の仲間で、音響効果や音楽プロデュースをやっていた。

奴は、「あしたのジョー」が大好きで、昔ボクシングをやっていた。
その後ミュージシャンから今の仕事について、自分で会社を立ち上げたパワフルな男だった。

奴は、見た目が少しイチローと萩原聖人に似ていて、女にだらしなく
毎回連れている女が違っていた。
結婚もして子供もいるし、私は「どうしようもないね」と一度言ったが、
奴は笑っていた。

奴は、いつもバイクでスタジオにギリギリに現れた。

奴は、音のセンスがよく、何よりいつも「こんなのどう?」と戦いに挑んで来た。
私は「いいんじゃない」と笑うか
「それよりこんな感じでは?」のどちらかだった。
そこから、いろんな話が生まれた。何にどう思っているのか。とらえ方の話。

とにかく、奴といる時間、
打ち合わせだろうが、
音を選ぶ作業だろうが、
仕上げだろうが、
なんだっていつも楽しかった。

何かを作りたいと思ったらまず最初に奴に電話をかけた。
「こんなのがしたい」と言うとすぐさま「じゃ、こうしよう」という話になり、
やるかやらないかなんて話には一切ならなかった。
すでにもうどうしようかとなり、そんな話しかした覚えがない。
「お金はないよ」と言う。
「いいよ。おもしろそうだもん」と返って来た。

音の感覚は言葉だけでは理解し合えないことが多い。
奴とは、すぐさま話が通じ合えた。

 私は、いろんな行程の中で、MA(音の仕上げ)作業が一番好きだと言っていた。
それは一番最後の作業でそれが終わると完成だからだと思っていた。

が、奴を失って、わかったこと。

一番好きだった理由は、『奴との作業だったから』、なのだ。

昨年、死を聞かされた電話を切った後、初めてこんな言葉が出た。
「バッカジャナイノ」。
バッカジャナイノ。バッカジャナイノ。バッカジャナイノ。
何度も出てくる。
やりきれないよ。バカヤロウ。

奴は、最後の1年、過労で倒れ、田舎で嫁さんとこどもと
向き合って暮らした。

回復して復活かと言う時のことだった。

まだ受け入れられないけど、とにかくさ、嫁さんとこども、見守ってやれよ。

いま、奴を失ったことの大きさを感じている。
でも、奴と出会った事の大きさも感じている。

    thanks  奴。

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by yukikomishimafilm | 2008-12-19 15:28 | *ありがたいできごと

『偶然の音楽』

随分と前の話になるけれど。

まだ9月の頃 ポール・オースター原作の芝居
『偶然の音楽』(構成・台本・演出 白井晃)を見ました。

終演後、翻訳者の柴田元幸さんとのトークがあり
おもしろい話がありました。
「ポール・オースターを訳す時にいつも考えるのは
人間はらっきょうか梅干しかという事です。

むいてむいてむいていくと、
核となる何かが残るのか、それとも残らないのか」。

さて、どっちなんだろう。

何かがあるようでなにもないのかもしれない。
ないように思えてあるのかもしれない。

よく考える。

むく作業。案外、いやかなり重要かなと思います。

まっ最終的には
そんなこと言っている自分は
とりあえず存在しているという事で床につきます。笑。
今日もこんなところでおやすみなさい♪

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by yukikomishimafilm | 2008-12-05 03:24 | *ありがたいできごと

郵便局の人

大切な書類を
ある郵便局から何度も出している。

その都度

郵便局員の女性が
手を合わせて念じてくれる。

その後の笑顔がいいんです。


そのようなお人



なりたいと思います。

私はその人にありがたやと手を合わせます。笑。


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by yukikomishimafilm | 2008-12-03 02:24 | *ありがたいできごと
まだまだニッポンは、男社会。
なんて愚痴りたくなること。
私にも、たまにあったりします。

それに監督や脚本の仕事というものは、
よく言われるように華やかな世界でもなんでもなく

99%の苦しみと体育会的労働と1%の喜び。

なんだかエジソンみたいですが(笑)

何週間も何ヶ月も(あるいは何年?)かけて
作品が最後に良いカタチになった瞬間に天から後光がさしてくるような
その幸福の瞬間が好きで続けているようなものだったりします。

幸せの瞬間といえば、もうひとつ。

現場でものすごくクリエーティブな人たちに会えた時、
その人たちと心が通じ合った気がした瞬間。
そして、やっぱり、その感覚が作品に反映された時。
全ての疲れが吹き飛んで、アタマの先からツマ先まで、
喩えようのない幸福に包まれるのです。

この秋、ある映画のお仕事でお会いした
写真家の堀清英さんは、ニューヨークでも活躍してらっしゃった方。
堀さんのサイトです。(←クリック)

とても難しい条件だったにも関わらず、素晴らしい仕事に。
予算がない、スケジュールがない、キャストもギリギリまで決まらない。
ないないづくしでしたが、
堀さんが私のつたない説明を聞いた後で「じゃあ、やろうか」と、
やわらかな言葉で言ってくださった瞬間に、
あらゆる物事が成功の方向に向かって動きだすのが、奇跡のようでした。
(パートナーのミチさんとのコラボ感もとっても素敵でした)

本物のプロのアーティストって、こういうものなのか?と、
感服した二日間でした。

そのお仕事の内容は、年明けくらいには発表できると思いますが、

堀さんに頂いた作品のTシャツ。
私の敬愛するアレン・ギンズバーグを撮った堀さんの作品です。
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理想からほど遠い日々が続いて、
メゲそうになったりすると、このTシャツを着たりします。
すると、なにか良いことが起こったりするから不思議です。。
ほんとの心がこもったもの、それがクリエーティブなものなのかなって。

今日も堀さんTシャツでがんばりまっす♪


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by yukikomishimafilm | 2008-11-18 13:59 | *ありがたいできごと